完全無人のショールームで、
接客にイノベーションを。
完全無人のショールームで、
接客にイノベーションを。
接客にイノベーションを。
接客にイノベーションを。
コロナ禍の影響もあり、店舗にスタッフを置かない無人店舗が増加傾向で、無人型ビジネスに対する注目度が高まっている。ミラタップでも、「お客様との対話を通じてイノベーションを起こし続ける」というビジョンのもと、完全無人のショールームが神奈川県横浜市に開設されることになった。その運用を任された島川は、業界初の取り組みに戸惑いつつも、周囲を巻き込みながらプロジェクトを推し進めていく。
島川 健太郎Kentaro Shimakawa
拠点事業部 東京支店
文学部 芸術学科 卒 / 2019年入社(キャリア入社)
照明計画会社を経て、2019年10月にキャリア採用でミラタップ(当時はサンワカンパニー)入社。
現在は東京法人営業チームのリーダーとして、対法人顧客の営業に加え、横浜スマートショールームの現地対応も行っている。
業界初、水回り商品の無人ショールーム
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、私たちの生活様式は大きく変化した。感染予防のために人との接触機会を極力減らすスタイルも、ここ数年で浸透し一般化している。そして、生活様式や世の中のスタンダードが変われば、さまざまなビジネスにもその変化がおよぶ。昨今は店舗にスタッフを置かない無人店舗が増加傾向にあり、無人型ビジネスに対する注目度が高まっている。
無人店舗とは、スマートキーやカメラ、モニターなどのデジタル技術を活用することで、人的オペレーションを削減した店舗を指す。受付やレジの業務を自動化し、スタッフを減らすのが主な目的だが、非対面サービスへのニーズの高まりも普及を後押ししている。
ミラタップにおいても、新たな接客スタイルを模索し、完全無人のショールームを神奈川県横浜市で開設することが決まった。併せて、「スマートショールーム」の商標が出願され、無事登録された。
同社では、2020年からインターネットを活用したオンライン接客サービスを行っているが、スマートショールームはそれとは似て非なるものだ。業界全体を見渡したとき、建具の無人ショールームはいくつか事例がある。しかし、水回り商品の無人ショールームは間違いなく初の試みとなる。高いデザイン性は維持した上で、さまざまなリスクを排除し、無人でも安全に運用できることを最優先に考えた店舗づくりが必要だった。
ショールームの設計は、建築家の山路哲生氏が担当。店舗面積約142㎡の比較的コンパクトな空間の中央に、コアと呼ばれる打ち合わせルームが置かれ、それを取り囲むように、キッチンや洗面台、バスタブ、タイル等の商品が展示される。また、カメラ7台、マイク6台、スピーカー11台を天井面に、モニター6台を壁面に設置。これらの機器類を通して、ミラタップ側は来館者の動線を把握、誘導しつつ、商品説明や見積もり作成を遠隔地から行う。
そして、この横浜スマートショールームの運用を任されることになったのが、当時入社3年目の島川である。
不安要素をピックアップし、解決策を講じる
島川は以前、照明計画を行う会社に勤めていた。2019年10月、キャリア採用でミラタップ(当時はサンワカンパニー)に入社し、東京支店の法人営業チームに配属される。その2年後の2021年10月に神奈川県のエリア担当就任とともに、横浜スマートショールームのプロジェクトに参画することになった。
スマートショールームの見学は次のような流れになる。まず見学希望者はミラタップのWebサイトから日時指定での予約申し込みを行う。店舗入口のドアは施錠されているため予約後に開錠用のスマートキーが送信される。見学当日は来館者自身がドアを開けて入館する。店舗内に入ると、応対するスタッフがすぐ脇のモニター画面上に登場。約3分のガイダンス動画を視聴した後いよいよスマートショールーム体験が始まる。
遠隔で商品説明や見積もり作成を行う東京ショールームのスタッフからは当初、不安の声が挙がっていた。むしろ、不安しかなかったと言ってもいい。スマートキーが誤作動を起こしたり、案内中にインターネット回線が途切れたりすることはないのか。商品の破損や盗難、急病人が発生した場合にはどう対応すべきなのか。そもそも対面の場合と変わらず、顧客の表情を見ながら商品の魅力を伝えることはできるのか。開設前の横浜スマートショールームの現場に常駐しながらそれらの不安要素を一つひとつピックアップし、解決策を講じるのが島川の役目だった。
東京ショールームスタッフから不安の声が挙がるのは、開設の過程を自分の目で見ていないことにも起因する。大前提として、ミラタップの社員に無責任な人間はいない。しかし、物理的な距離に比例して心理的な距離が離れてしまうのは致し方無いことである。横浜スマートショールームをもっと“自分ごと”として捉えて欲しい。そう考えた島川は、プロジェクトの概要や工事の進捗状況を伝える「横浜ショールーム通信」を不定期で配信し、東京ショールームスタッフとの情報共有を積極的に行った。なお、「横浜ショールーム通信」は東京以外の拠点にも届けられ、そのポップな内容が非常に好評だったという。
横浜をスマートショールームの試金石に
2022年3月、横浜スマートショールームがオープンした。最寄り駅から徒歩1分の好立地ということもあり、オープン初日から予約の取り辛い状態が続いている。
予約は一日3組限定。1枠あたりの所要時間は1時間半とゆとりがあり、来館者はじっくり商品を見ながら、モニター越しのスタッフに相談できる。また、スタッフの説明を受けずに見学する場合は、商品ごとに用意されたQRコードをモバイル端末のカメラで読み取り、アクセスしたWebサイト上で詳細内容を確認することも可能だ。
できるだけたくさんの人に訪れてほしい一方、いたずらに枠数を増やすのは得策ではないと島川は考える。見学時間の短縮は顧客にネガティブなイメージを持たれやすく、成約率の低下にも繋がりかねない。無人ショールームは初の試みなので、どうすれば顧客満足度が高まるのか、また、自社の売上向上に繋がるのか、注視しながらデータを収集し、随時対応策を打ち出していく必要がある。
そしてまた、このスマートショールームは、業務効率の向上や働き方改革につながる可能性も秘めている。というのも、まずモニター越しの接客なので働く場所が制限されず、しかも予約状況に応じたシフトが組めるため、業務時間をコントロールしやすいからだ。現時点では東京ショールームのスタッフが担当しているが、仙台・名古屋・大阪・福岡の各ショールームのスタッフを配置してもいい。
さらにいうと、豊富な商品知識を有するものの、産休や育休のために長期的に職場を離れざるを得ない休職中のスタッフに対して、リモートワークでの接客という新たな職場を提供し、キャリアを再び活用してもらうことも期待できる。
顧客に対しても、業界に対しても、社内に対しても大きな影響力をもつスマートショールーム。1号店の横浜ショールームが今後確かな成果をあげれば、ミラタップの未開拓エリアでの、2号店、3号店の出店につながっていくだろう。ある意味で会社の成長を左右するプロジェクトを託された島川は、大きなプレッシャーを感じながら、それでも全てを“自分ごと”として捉え、今日も現場で小さな改善を重ねていく。
建築家と建てる家を、
もっと身近なものにする。
濱田 広一Hiroichi Hamada
スペースデザイン事業部長 兼
株式会社ベストブライト代表取締役社長
工学部 応用化学・合成化学科 卒 / 2018年入社