REPORT 2024
INTERVIEW
世界のミラタップへ
世の中を変えるチャレンジを続け、
中長期的な企業価値向上へ
当社は2024年10月、サンワカンパニーからミラタップへと社名変更いたしました。社名変更に伴う施策とその効果、中長期経営計画の第3ステージ「飛躍期」の戦略について、社長の山根太郎がお話しします。
社名変更からわずか1カ月で
検索ボリュームが増大
3年かけて構築した
広告宣伝のロジックに手応え
―2024年9月期について
2024年9月期は売上高161.2億円と過去最高を達成したものの、当初予想は未達となり業績を下方修正いたしました。主な要因は二つあります。一つは住宅市況の悪化です。金利が上昇すれば、住宅ローンを利用して家を建てる人が減少する。わかりきっていることですので真摯に受け止めています。
もう一つは旧社名での認知広告を抑制したことです。当社は2024年10月1日に株式会社サンワカンパニーから株式会社ミラタップへと社名を変更。社名変更前は旧社名の認知度拡大に向けた広告宣伝費の投入を抑制したため、サンワカンパニーとしての新規顧客の獲得数が伸び悩む結果となりました。
しかし、その一方で大きな手応えもありました。社名変更からわずか1カ月で「ミラタップ」での検索ボリュームが「サンワカンパニー」に並んだのです。これは極めてポジティブな出来事でした。なぜなら、ミラタップの認知度拡大に注力すれば新規顧客の獲得が進み、トップラインを伸長できるという裏づけになるからです。
同一業界に類似社名が乱立するゆえに強いられてきた非効率なマーケティングからの脱却を目指し、社名を変更したことは間違っていなかった。中長期の経営計画における成長加速期と位置づけたこの3年間で構築した広告宣伝費と売上を結びつけるロジックは正しかった。そう確信できたのですから、大きな収穫を得た1年でした。
多くの強みを持つ住設・
建材EC事業でトップに立つため
広告マーケティングで
圧倒的な成長スピードを手に入れる
―2025年9月期の方針と戦略について
2025年9月期の売上高は前期比二桁増収の185億円を目指します。一方、営業利益はシェア拡大のための投資を積極的に実行するため前期比減となる予想です。広告宣伝費と売上を結ぶロジックに確信が持てましたので、2025年9月期は認知度拡大を目的とするマーケティング戦略をさらに推し進めます。TVCMをはじめとした広告宣伝費を集中投下、マーケティング戦略を強化し、圧倒的な成長スピードを手に入れることを優先します。
世界から高く評価されているデザイン力、他に類を見ない品揃えと商品カテゴリ、わかりやすい価格設定。当社の住設・建材EC事業にはたくさんの強みがありますが、競合他社を上回るスピードで成長しなければトップに立つことは不可能です。だからこそ、私たちは今期、時間を買うことを決断しました。
認知度拡大のための投資を積極的に実行し、成長スピードを求めるのは、中長期経営計画の第3ステージ「飛躍期」、そして5年先、10年先までトップラインを大きく伸長して企業価値を高めていく当社の姿がはっきりと見えているからです。今期の計画をご覧になってネガティブな印象を持たれた方は少なくないかもしれませんが、増収増益を目指すために広告宣伝費を抑えることはありません。その決意をこの場を借りてお伝えいたします。
専門家紹介、アフターサービスを
強化して顧客接点を創出
非住宅向けの商品ラインナップと
サービスの拡充にも取り組む
―トップラインの伸長を目指すための施策
住設・建材EC事業では、建て替えやリノベーションの専門家紹介、アフターサービスを強化してエンドユーザーとの接点を増やします。この事業の成長は、価格の透明性の向上と商品の選択肢の拡大を市場にもたらしますので、そうなれば住宅のリフォームや建て替えのサイクルは短期化され、流動性が高まることによって資産価値も上がります。こうした好循環をつくってエンドユーザーを増やし、収益基盤を強化します。
その一方で、非住宅向けの商品ラインナップとサービスの拡充を目指します。ホテル、オフィス、店舗などを運営する法人のお客様だけではなく、設計事務所や工務店にもロイヤルカスタマーになっていただくためのマーケティング戦略を推進します。
住設・建材EC事業との
シナジーを重視したM&A
その先には国内外の
ホールディングス経営を見据える
―経営体制の構築と強化に関わる戦略
M&Aについては住設・建材EC事業とのシナジーを重視して随時検討しています。イメージとしては、住設・建材EC事業を補完できる物流会社、ECサイトのリニューアルや運用・更新を任せられる人材が揃ったIT企業などが候補になります。
その次のステップは、国内におけるホールディングス経営。それが実現すればグローバル規模の経営を進めていくことができますので、今後は事業会社のトップを任せられる人材の獲得と育成が重点目標となります。登用のポイントは、経営者として善管注意義務を果たし、ステークホルダーの皆様から委任をいただける人材なのかどうか。私自身が講師を務める幹部候補研修などを通じて20~30代の社員のスキルとマインド、メンタリティをしっかりと見極めて登用し、経営体制の強化を図りたいと考えています。
EC事業が軸なので
国内・海外とも固定費は限定的
トップラインを伸長させれば
利益率も高くなるビジネスモデル
―利益率を高めるために
事業を拡大すれば固定費も相応に増えますが、国内における主軸はEC事業のため、大手の住設機器メーカーのように多くのショールームを運営する必要がありません。提案サービスについても来場されたお客様へのプル型営業が中心なので人的コストを最小限に留められます。また、海外ではショールームを出すのは代理店なので、当社の負担はゼロ。つまり、固定費は小さく、利益率が高くなるというビジネスモデルなのです。
既成概念を壊し、
住まいとくらしに関わる領域で
新たな価値や手法を創出する
『ルールブレイカー』として
―今後の目標、抱負について
私たちは、住宅設備機器・建築資材の「ワンプライス」を実現して業界の常識を覆した会社です。これからも既成概念を壊し、住まいとくらしに関わる領域で新たな価値や手法を創出できる『ルールブレイカー』であり続けたいですね。そのために必要なのは、次代を担う人たちが人生を懸けて取り組みたいと思える明確なビジョンです。それをしっかりと打ち出し、「make a mark(生きた証し)」を残すために働くというマインドを共有できる人材を集める。そして、彼らにビジョンの実現に向けての道筋を示すことが、経営者である私の責務だと思っています。
社会を良くする会社で
あり続けることを
すべてのステークホルダーの皆様に
お約束します
―株主、投資家の皆様へのメッセージ
2000年に工務店と設計事務所、エンドユーザーである施主が商品をフェアに選べる市場をつくり上げ、住設・建材EC事業で成長を続けてきた当社は、これからも社会を良くする会社であり続けることをすべてのステークホルダーの皆様にお約束します。現在、注力しておりますマーケティング戦略の効果は、2025年9月期の第2四半期以降に表れます。そして、中長期経営計画の第3ステージ「飛躍期」の完了時にはさらに大きな数字となっていると確信していますので、3年後の成果報告にどうぞご期待ください。
TOPICS
非住宅分野での事業展開と
自社開発商品のご紹介
ミラタップは住宅分野だけでなく、オフィス、ホテル、商業施設などの非住宅分野にも事業領域を拡大しています。近年は、働きやすい職場環境づくり、快適な空間の提供や街づくりをコンセプトにした建物が多く、当社が提供するデザイン性の高い、アイデア力のある商品が選ばれています。
miratap case
デザイン性の高い商品で洗練された
「くつろぎ+非日常感」を演出
岡山県
1日1組限定、
瀬戸内海を見渡す贅沢なホテル
「七二七inlet」様
瀬戸内海を見渡すことのできる牛窓町に位置する、1日1組限定の貸し切り宿。目の前に広がる瀬戸内海は、朝・昼・夜とそれぞれ違った表情を見せてくれます。その絶景を引き立てる空間づくり、お客様が1日をゆっくり過ごせるような場所に当社の商品が採用されています。
ミラタップ採用商品
ネクストワン
穏やかで上品な石目調の表情に抗菌加工も加えた優秀タイル。
訪れる方の多くが本物の石だと見間違うほどのリアルな素材感を実現。通常タイルと比較し表面と小口※の色差が少なくディテールのこだわりも採用の決め手に。
- ※小口:材料の断面のこと
miratap design
世界から評価される
「ミニマリズム」という
デザインコンセプトに則った
自社開発商品
当社のデザインは国内だけでなく、海外からも高い評価を得ています。「ミラノサローネ国際家具見本市」にて開催される「エウロクチーナ(2018年) 」に出展した際に、出展企業の中から最も優れた展示をした企業を表彰する「第3回ミラノサローネ・アワード」をアジア企業として初受賞したほか、世界三大デザイン賞のひとつであるiFデザイン賞を10年連続で受賞するなど、多くのデザイン賞を受賞しています。売上高の約8割は自社開発商品と世界中のメーカーからセレクトした独占販売商品。今回は自社開発商品について開発者のインタビューもあわせてご紹介します。
クアドロスリム
日本の数寄屋建築をルーツとして、
「ふすま」や
「障子」の文化を
現代の加工技術で復活
iFデザイン賞、グッドデザイン賞、JCDプロダクトオブザイヤーなど、各種デザイン賞を受賞。
極限までフレームを細くした、枠とガラスだけのミニマルなデザイン。ドア仕様、ガラス仕様、ガラスカラーを追加し、どんな空間デザインにも調和できるさまざまなバリエーションを揃えています。
Designer’s Point
ガラスという素材の平滑性を利用することで、まわりの空間を歪みなく映すことにこだわりました。ガラスの美しさと細いフレームが合わされば、思い描いていたような上質な空間が具現化できると、わくわくしながら開発を進めました。詳細はぜひこちらをご覧ください。
スミス
どんな洗面空間にも溶け込む、
磨き上げたシンプルなデザイン
今までにない「スリムさ」を追求し、洗面空間をすっきり見せ、かつ充分な収納量を確保した人気No.1※スリムミラーボックス。
- ※2024年ミラタップのミラーボックスカテゴリの売上
Designer’s Point
いちばんの特長は、企業秘密の圧倒的な奥行きの薄さです。当社のミラーボックスの本体奥行は、最小のもので150mmでしたが、《スミス》はそれよりも薄い135mmです。実際に前に立ってみると、圧迫感が少ないことを感じていただけると思います。詳細はぜひこちらをご覧ください。
グラッド45
2013年の発売から当社を代表する
システムキッチン
ステンレスを全面に採用し、無駄をそぎ落としたデザインで素材の上質感を際立たせています。扉やサイドパネルは小口が見えないように留め加工をほどこすなど、細部にまで配慮し、高級感のあるデザインでありながら、使いやすさも重視したつくりとなっています。
表面の小さなキズや指紋が目立ちにくい、人気のバイブレーション仕上げや海外メーカーの食器洗浄機を組み込むことも可能です。
Designer’s Point
当時イタリアでトレンドだった留めのデザインを取り入れました。しかし、ステンレス素材で留め加工をほどこすのは至難の業。何度も試作を重ね、やっと今の意匠になっています。今では当社の多くの商品で留めのデザインを採用していますが、この《グラッド45》が始まりですね。詳細はぜひこちらをご覧ください。
NOTICE
TVCMのご紹介
10月1日の社名変更に合わせて、
地上波及びTVerでのCM放映を開始
当社は「くらしを楽しく、美しく。」という経営理念を掲げ、商品やサービスを提供しています。「くらし」は百人百様であり、「こうあるべき」という正解はありません。未来のくらしを想像しながら、キッチンや洗面などのくらしに関わる設備を選ぶ楽しさを、もっと多くの方に知っていただきたい。ご自身で自分らしいくらしを見つけていただいたら、当社がそのくらしを美しく叶えるお手伝いをしたい。そのような想いを込めて、当社の強みであるプロダクトデザインと、「くらす前から、楽しむ。」というメッセージを掛け合わせたTVCMを3種類制作しました。
今回のCMでは、競合ブランドとの差別化を図り、「同じ感じの選択肢のひとつ」とはならずに、「全く異なる選択肢」として、ミラタップを認識してもらうことを狙っています。
くらしの場である家や、そこでくらす家族をあえて出さず、「くらす前」から想像を巡らせていることを象徴的に示す、まだ何もない美しい土地を舞台にしています。
その上で、ミラタップのもう一つの特徴である、プロダクトデザインの美しさを存分に打ち出すため、商品そのものを主役として堂々と描くことにしました。
miratap公式YouTubeチャンネルでは、TVCMの他、商品のご紹介等さまざまな動画を公開しております。
随時追加しておりますので、ぜひご覧ください。
Instagramフォロワー数の推移
フォロワー数は順調に増加し、
TVCMによる反響に今後も期待
当社の公式Instagramフォロワー数は2021年9月期の10万人突破以降、順調に増加しており、住設・建材を扱う企業としてはトップクラスのフォロワー数※を誇ります。住宅一次取得層の世代で、住宅に関するこだわりが強いユーザーほどSNSを情報源として利用される傾向があります。特に写真などでイメージを膨らませるために、 Instagramを起点として認知されるケースが多いことから、当社でも運用に注力しております。
TVCM後の反響としても、Instagramフォロワー数は増え続けており、リーチやエンゲージメントも伸びてきております。
- ※当社調べ
miratap公式Instagramでは、施工事例や商品紹介など、写真や動画を投稿しております。
随時追加しておりますので、ぜひご覧ください。