2024 審査結果

施工事例
コンテスト2024
受賞作品

最優秀賞

賞金100万円

阿品の家

ure合同会社 岩竹 俊範
CONCEPT

南側には瀬戸内海や宮島といった眺望が望め、北側には緑ゆたかな林が広がる、静かで落ち着いた環境にある築34年の家族3人が住まう木造住宅の部分的な改修。
既存の状態は良く、クライアントは3回目のオーナーチェンジで所有することとなり、今まで丁寧に使われてきたことを感じ取ることができるこの住宅を受け継ぎ、住みつなぐこととなった。
壁紙の重ね張りや瀬戸内由来の焼杉など仕上げの選定、施工法をじっくりと検討を重ねた。
障子や壁紙といった素材は、外の光を柔らかく受け止め、空間に静かな変化をもたらし、また屋根の小屋組から洩れるあらたな空間は、あたらしい生活に、ささやかな余白をもたらす。

ミラタップ賞

賞金40万円

恋ヶ窪の気積

KAAYA 梶並直貴・Yap Minwei
CONCEPT

半径5km圏内の在宅訪問診療を行う医療事務所である。衛生基準を 2 倍上回る、一人当たり 25 ㎥の気積を確保し、医療従事者の健康を守る、良質な空気環境を構築した。
階高 4.9m の最大限気積を、最小限の 105mm 幅の住宅用集成材で構成した。
資材高騰期でも入手しやすい在来部材で、大らかな空間を実現した。長時間滞在のため、窓外の風景を眺めるデスク、南面サンルームなどを設け、時間帯・天気・季節といった環境変化に応じて、居場所を選択できるように設えた。
ウィズコロナ時代に、建築は何ができるのか。自然通風・自然採光といった素朴な操作でありながら、建築の新たな役割を問いかける。

動画賞

賞金10万円

HOUSE O/ 隅田川を望む家

atelier SALAD 徳永孝平・栫井寛子
CONCEPT

隅田川沿いに建つマンションのリノベーション。63㎡の内部空間に、LDK・寝室・パントリーに加えて、リモートワークのための2部屋を計画しました。
オンとオフの相反する状態の構成において、nLDKというこれまでの常識を疑い、分断された個室ではなく、皆の居場所が柔らかく繋がっている状態を目指しました。
《ノッポ》と《クアドロスリム》によって、家族の気配を感じられるような抜け感と、穏やかなデスクスペースを両立しています。
空間の中心に置いた《ウィッテ》は、隅田川を望む日常のハレの舞台になっています。
家族の時間と仕事の時間。空間の可変性によって、現代らしい豊かなくらしを実現しています。

入賞

賞金5万円

高台の洋菓子店

株式会社F.S.DESIGN 和田雄介
株式会社イトウケンチク 伊藤晃章
CONCEPT

無機質な空間をテーマにグレーとブラックを中心に構成。当初はモールテックスで統一する予定を、コスト調整でカチオンのクリア塗装仕上げに変更し天井まで施工し、カウンター席に特別感を。
《ソルタス》で外部の明かり(自然光)を商品カウンター迄届かせた。

入賞

賞金5万円

天使突抜の京町家

Tony Leung、
アラキ工務店
CONCEPT

Located in an alley near Nishinotoin Gojo, the renovation of this 120 years machiya was completed in 2024. The matt black basin and minimalistic LED mirror from miratap echo the old mud wall and wood frame, matching the black tone of the house and providing a focal point on the 2/F washing space.

入賞

賞金5万円

CYCL

百枝優建築設計事務所 百枝優
CONCEPT

これは山梨県山中湖村に建つサウナです。私たちは自然公園法に基づく外形の制約に則りながらも、この建築を地域固有の歴史につながる風景の一部にしたいと考えました。
そこで富士山と笠雲に注目し、山のような構造体で屋根を浮遊させ、「山」の中と外に集中と解放という異なる特徴の空間を設えました。
カチオン仕上げの1階は暗く落ち着いた空間です。そこで黒いマット色で衛生器具を統一するために国内外の製品をあたり、《ニューベガトール混合水栓》と、《ベルニスブレンド シャワーパイプ200》を採用しました。
自己の内面に向き合う「山」の中(1階)での体験を経て、「山」の外(2階)では美しい自然風景に対峙することで精神が解放されます。

新人賞

賞金5万円

氷見の住宅

モ・トstudio(もっとすたじお) 江畑 隼也
坂東幸輔建築設計事務所 坂東幸輔
東工業株式会社 東秀佳
CONCEPT

施主の旧自邸が建つ敷地の一部を用い、再建築不可の敷地を接道させることで、新たに建築ができる敷地へと甦らせる。
そこに住宅を計画するとともに、段階的に地域へ開く機能を持たせ、使う人に応じて形を変えていくことで、街から切り離された場所の風通しを良くし、新たな地域資源の創造を促す試みである。
町屋の田の字間取りを手がかりとしたこの住宅は、外断熱工法を採用し内部の木構造部材を現わしにすることで、壁や建具、棚を追加または減らすこと、新たな設備を設置することを容易にし、使われ方の変化に対応しやすい設えとした。
住宅として計画されたこの建物は能登半島沖地震を受けて、被災者のための一時的な住まいとして転用されている。