施工事例
コンテスト2021
受賞作品
最優秀賞
『ETERNALLY』
藤井智大
CONCEPT
郊外のテナントで、ある夫婦が美容室を開業した案件である。夫婦はヘアカラーを得意とするが、それをいかにアピールするかが課題であった。ヘアカラーは薬剤調合と塗布の2工程があるが、調合は一般的に店舗奥に配置される準備室内で行われるため、今回は配置を逆転させ調合風景を演出する事で、課題解決を試みた。演出の主はあくまでも夫婦の調合風景となるように、グラッド45を中心にグレースケールで構成し、洗練された演出舞台を目指した。色味を限定した舞台は、夫婦の姿や美容品が本来持つ色彩を際立たせ、また、箱の中に籠るようなセットブースは、その風景をトリミングするようにミラーが映し出し、技術への期待度を高める狙いがある。
サンワカンパニー賞
『クレバスノイエ』
CONCEPT
千葉県船橋市の住宅地に建つ、小学生姉弟とご両親の4人家族の家である。
ワンルーム的に家族同士の気配が積極的に感じられること、室内外が一体的に利用できることを望まれた。プロダクトの選定には、自然素材の内外装と調和する主張しない黒子としてのミニマルなデザインであることを優先し、豊かな空間性を生み出すことを目指した。
入賞
『N house』
CONCEPT
東京、馬込に建つ雰囲気の良いヴィンテージマンションの一室のリノベーション。
元々の2LDKの間取りを、光のふんだんに入る1LDKに。
デザインをしていく上で決して大きくない55平米の間取りを如何に豊かに使うかを考え、
縁側的要素・Compact richness・水平窓を生かす・陰影礼賛
以上の四つをキーワードとしながら、
施主の要望でもある色の少ない素材で繋いでいくように計画した。
入賞
『i邸』
CONCEPT
浜松市の郊外に立つ3人家族の住宅です。
コロナ禍の中で見つめ直された、【おうち時間】をより楽しく潤いのあるものにしたいという想いをかたちにしました。
高さのある吹き抜けに室内外を横断する庇を挿入し、視覚的な屋外空間との繋がりを獲得することで子供の遊び場やBBQ会場となる中庭との距離をより近く感じられるよう設えつつ、庭に帰属する居場所をいくつかの居場所を生み出しています。
内装はシンプルにエレガントに。
コロナ禍もコロナ収束後も潤いのある生活の受け皿となるよう空間を設えました。
入賞
『竹中工務店名古屋機材センター』
CONCEPT
建設現場で活躍する建築施工用機械の運用・整備を行う竹中工務店名古屋機材センターの移転計画。外壁を貫通して外装に表出させた鉄骨架構を建築表現の主役とし、工事中に見られる架構の力強く純粋無垢な姿を完成後も感じられるような構成とした。内外装の仕上げもコンクリート床面の美しさ、壁下地合板や屋根野地板の無骨さ、等ピッチに並ぶ下地材の整然とした姿など、通常は仕上げ材料で隠れてしまう素地の素材が持つ強度を表現の主役とした。建設工事のプロセスにおける印象的な姿を、完成した建物でも感じられるようにすることで、建設現場を支える機材センターならではの建築表現となっている。
新人賞
『六光天井の家』
CONCEPT
平屋建て住宅は室内深部への自然採光や眺望の確保に課題を抱える。恵まれた周辺環境を活かしつつこの課題を解決するため、6つの三角形ハイサイドライトを設け、室内のどこからでも空や四国山脈を見渡せるようにした。三角窓に向かうように、のこぎり屋根と登り天井を組み合わせ、自然光を室内深部まで拡散させる天井形状とした。この天井により実面積以上に空間の広がりを感じる室内となった。
生活の中心となるLDKは、サンワカンパニーのグラッド45、SUSカリッサ、スット混合水栓など角型フルステンレスの什器で統一し、ピエトラセメンデュオなどシンプルな仕上げ材を用いることで、特徴的な天井を最大限に引き立たせることを目指した。