今回、社長の山根が訪れたのは広島に拠点を置く建築設計事務所、株式会社CAPD様。
代表取締役で建築家の門内一生(もんないかずお)様にお話を伺いました。
↑(左から)門内様、山根
「建築業界の不透明さが嫌い」
山根:サンワカンパニーを使っていただくようになったきっかけを教えてください。
門内:私が独立前に勤めていた建築事務所で、物件を任され設備機器や建材を自分で選べるようになったとき、なかなか良い製品が見つからず、いつも自分で造作していました。でも造作って、かなり手間がかかるんです。そんな時に、サンワカンパニーさんを知りました。リーズナブルで良い商品が揃っているので、それからずっと使っています。独立したのが2002年なので、20年近く前のことです。
↑設計事例(タイル:ダスト)
↑設計事例(洗面台:デリエレ)
山根:ありがとうございます。長年ご利用いただく中で、ご不便をおかけしていることはありませんか?
門内:最近はかなり減ってきましたが、サンワカンパニーさんの商品を使おうとすると、それを嫌がる工務店がけっこうありました。インターネット販売で価格が誰に対しても一律なため、工務店の実入りが無くなるからです。ですが私はもともと、建築業界の不透明さが嫌いなので、そういう業者とは付き合わないようにしています。サンワカンパニーさんがインターネット販売を始めたことで、ようやくこの業界がきれいになると思いましたね。
山根:本来、工務店は工事の質で評価されるべきです。しかし手掛ける物件の量が多いほど建材を安く仕入れられるので、技術力を上げなくても利益を得られるようになります。技術力は可視化しにくいので、一般の方が工務店を選ぶのは難しいと思います。私も自宅を建てるとき、かなり悩みました。
「家具も自分でつくっています」
山根:これはいつも聞いていることなのですが、サンワカンパニーにもっとこんな商品やサービスがあればいいのに、ということはありますか?
門内:ソファなどの家具がたくさんあればいいですね。私は建物を設計するとき、家具も一緒に作ることが多いです。高級な家具を置けば、それなりに見た目は良くなりますが、面白みがないしコストもかかります。なので私は、その建物に合わせて、イスやソファ、ベッドなどまで作ることがあります。実はそこに置いてあるイスも私が作ったんですよ。ぜひ座ってみてください。
山根:とても座り心地がいいですね!私はテニスをしていてお尻が大きい方なのですが、座面が深くてとても楽に座れます。長時間座っていても疲れなさそうです。細かいところまで考え抜いて設計されているんですね。
↑門内様がデザインされたイス
門内:ハンス・J・ウェグナーの代表作のYチェアってありますよね。彼がYチェアをつくるときに参考にしたのが、ポーエ・モーエンセンのシェーカーチェアだったそうです。そこで私も、このシェーカーチェアを参考に作ってみたら、Yチェアとは違うこのイスができたというわけです。私は建築家が作りがちな、鉄板を曲げただけとか、板を組んだだけとか、座る人のことを考えられていないイスは良くないと思います。固くて座り心地が悪いものが多過ぎます。このイスは試作を繰り返し、座り心地だけではなく、座るときの導線も含めてデザインしました。
山根:なるほど。弊社でも家具は、買い付け商品として少しずつ販売をはじめています。もちろんデザインにはこだわりますが、高級ブランドというわけではなく、比較的リーズナブルでストーリー性がある北欧系のブランドの家具を販売しています。
「失敗が許されない仕事だから、CAPD」
山根:御社名の「CAPD」ってどういう意味があるんですか?
門内:独立した当初は、僕のあだ名の「キャプ」をそのままとって「CAP Design」だったんですが、仲間が増えてきて、もう少し組織らしい意味のある名前にしたいと考えていました。そんなとき、たまたま全日空の「翼の大国」という冊子を読み「CAPD」という言葉を知りました。ビジネスでよく使われる「PDCAサイクル」ってありますよね。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを回すことで生産性を上げていくというものです。ところが失敗が許されない仕事の場合は、この「PDCAサイクル」が「CAPDサイクル」に見直されているそうなんです。つまり入念に準備を重ねた万全の状態で、最後の最後に実行に移すということです。飛行機も建築も人の命や人生を預かっていて、失敗は許されません。この考えに共感し、「CAP Design」から「CAPD」に変更しました。
山根:そんな意味があったんですね。私は昔、全社員集会で、「サンワカンパニーでは『PDCAサイクル』ではなく、『DCAサイクル』だ」と言ったことがあります。当時は今よりも小さな会社でしたし、時間をかけてプランを作っても、東大や京大出身者のような賢い人たちが作るプランには敵わないんです。だから周りがプランを作っているうちにどんどん実行し、Do、Check、Actionを回すんだ、と。今でも従業員には、スピード感を持って自発的に仕事に取り組むように言っています。
最後に、門内様の空間づくりのこだわりを教えていただけますか?
門内:実は私は、デザインに興味がないです。建築は安全、快適であることが何よりも重要です。見た目だけかっこいいものは簡単につくることができますが、後々不具合が出てきます。私はこれが許せません。全て考え抜いて設計して、安全面や機能面を1つも妥協しなければ、結果的にかっこいいものができるはずだと思います。空間づくりにおいて、見た目からはアプローチしないという意味で、私はデザインに興味がないんです。
山根:なるほど。建築にしても、家具にしても、住む人、使う人のことを一番に考えられている門内様の姿勢をよく理解することができました。今後もどのような空間を作られるのか楽しみにしています!本日は、ありがとうございました。
以上、山根のお客様訪問でした!
次回もお楽しみに。
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