今回から、ブログの新しいシリーズとして、商品の開発秘話をお届けしようと思います!
当社のオリジナル商品は、社内のデザイナーが日々試行錯誤して完成した、こだわりの詰まったものです。カタログやオンラインストアには載せきれなかった、商品誕生のきっかけや開発の裏側について、このブログでお届けできればと思います。
第1回目は、人気の魅せる収納家具《ピッタラ》と、姉妹商品の収納棚《ピッタナ》です。
《ピッタラ》と《ピッタナ》の商品イメージ
《ピッタラ》は、幅450mm~1800mmの間で、幅が1mm単位でオーダーできる収納家具です。2020年にサイズとカラーのバリエーションを追加し、リビング・玄関・洗面等、より多くの場所でマルチに使えるようになりました。後に発表したのが、姉妹商品の《ピッタナ》です。正面から見た時の薄さと、浮いているようなデザインが特長の収納棚です。
今回は、《ピッタラ》のバリエーション追加と、《ピッタナ》の商品企画を担当したデザイナーに、開発秘話を聞いてきました!
サンワカンパニー デザイナー:高岡
《ピッタラ》の特長
大阪ショールームの《ピッタラ》ディスプレイ
―《ピッタラ》の特長や、ポイントを教えてください。高岡)もともと《ピッタラ》という商品は、以前在籍していた別の担当者によってデザインされたもので、個人的に、デザイン・価格共にすごく良い商品だなと思っていました。その理由はいくつかありますが、一番はやはりこの「見つけ」の薄さです。普通はたわみを防ぐために、もっと分厚くするのですが、《ピッタラ》はたったの7mmです。
7mmという薄さの見つけ
どこで強度を保っているかというと、外からは見えない、内側にあるこの厚みです。こうすることで、外から見ると薄くてシャープ、でも強度はしっかり確保するというデザインになっています。強度を確保する内側の厚み
外側と内側を同じ色で統一している点も《ピッタラ》のポイントですね。外側は色が付いているけど内側は白、という商品はよく見かけると思いますが、《ピッタラ》はそうではなくて。内側までしっかり同じ色にして、高級感をプラスしています。《ピッタラ》バリエーション追加の背景
―どのような背景で、バリエーション追加に至ったのですか?高岡)バリエーション追加前の《ピッタラ》は、横幅のmm単位オーダーは出来ましたが、高さはH400mm、H 600mm、H 900mm、奥行きはD 200mm、D300mm、D400mmのそれぞれ3展開のみでした。色展開も、ホワイトと木目調のみとバリエーションが少なく、主に洗面や玄関で使われていた印象です。”もっと力を入れれば、さらに売れる商品なのでは?“と考えていました。
《ピッタラ》をより良くするためにどうすれば良いかと考えた時に、”もっと家の色々な場所で使ってもらえる商品にしたい”と思いました。そこで、サイズと色のバリエーションを追加することにしました。
悩みに悩んだバリエーション追加
―バリエーション追加の際のお話を聞かせてください。高岡)サイズは、テレビボードや飾り棚として使える「高さ200mm」、キッチンで家電等も置ける「奥行き500mm」を新しく設定しました。最近はお洒落な家電も増えているので、特にキッチン収納では、家電を隠さず見せておけるカウンタータイプが多いです。奥行き500mmはそんな方にぴったりです。
カラーに関しては、かなり悩んだ部分です。色んなカラーサンプルを用意して、比較して…を繰り返しました。結果、定番カラーとして「ブラック」「グレー」「グレージュ」、トレンドカラーとして「コーラル※」「スモークグリーン」を選びました。
※コーラルは2022年2月をもって廃番となりました。
《ピッタラ》のカラーバリエーションサンプル
当時人気になり始めていたグレーは絶対に追加したかった色です。”「グレー」と「グレージュ」2種類もいる?”という声もあったのですが、私は絶対に2種類必要だと思っていて(笑)。温かみのある「グレージュ」は、オーク等の木材とも相性が良いですし、家づくりにおいて必ず需要があると考えていました。オーク材にも合う《グレージュ》
トレンドカラーの2色は、海外の展示会でよく見かけるようになった「コーラル※」と「スモークグリーン」を取り入れました。定番色だけでも良いですが、やはりトレンドカラーがあると選択肢やイメージが広がりますし、《ピッタラ》という商品の世界観も伝わり易くなったと思います。※コーラルは2022年2月をもって廃番となりました。
姉妹商品《ピッタナ》の登場
ー次に、《ピッタナ》開発の背景を教えてください。高岡)《ピッタラ》のバリエーション追加から半年後に、姉妹商品のオープン棚《ピッタナ》を発売しました。壁面を楽しくするには、オープン棚は必須だと思っていました。キッチンの背面収納でも、最近はカップボードとオープン棚を組み合わせるケースが増えていますよね。《ピッタラ》と一緒に組み合わせて使えるものを作りたかったので、姉妹商品として《ピッタナ》を企画しました。
《ピッタナ》商品イメージ
試作を繰り返して辿り着いたデザイン
―開発時に特に苦労したポイントはありますか?高岡)とにかくこの薄い見つけを実現するのに苦労しました!正面から見ていかに薄く、浮いているように見せるかにこだわりましたね。前から見るとこんなに薄いんですが、横から見ると壁側にしっかり厚みがあって、耐荷重を確保しています。
大阪ショールームの《ピッタナ》ディスプレイ
壁側に厚みを持たせている
《ピッタナ》のこの形は、建具なんかでよく使われる「V溝構造」という技巧を使っています。この技術を前に展示会で見たことがあって、”いつか使ってみたいな~”と頭の片隅に置いていました。《ピッタラ》の開発時に”もしかして使えるんじゃ…?”と思い、協力工場さんに相談して実現しました。こだわった点について話し出したら止まらないのですが、とにかく取り付け金具を見せたくなくて。通常こういった棚には、「ブラケット」という板を支える金具を付けるのですが、それも絶対イヤでした(笑)。何種類もの金具を試しては作り直しを繰り返し、この薄さでしっかり強度もあって、しかも取り付け金具が見えない、というのを実現しました。
好きなように、自由に壁を彩ってほしい!
―最後に、《ピッタラ》と《ピッタナ》はどんな商品でしょうか。高岡)《ピッタラ》はシンプルな箱型の収納なので、靴を入れても食器を入れても何でもOKです。収納機能が沢山ついた商品は市場に多くあると思うのですが、《ピッタラ》はあえて要素を絞って、自由度を広げています。サンワカンパニーらしい商品だと思いますね。お客様には、《ピッタラ》と《ピッタナ》を好きなように組み合わせて、おうちの壁を楽しく彩ってほしいです。
商品の詳細はこちらから
●《ピッタラ》
●《ピッタナ》