先日、当社は世界最小クラスの手洗い器《テハチ》を発売しました。
他にない超スリムなサイズ感とミニマルなデザインを両立させた、”これぞサンワカンパニー!”という商品です。
《テハチ》の施工イメージ
最大の特長であるそのサイズは、「幅350×奥行120×高さ65mm」とサンワカンパニー史上最小!カラーは、ホワイト・ブラック・ステンレスの3色展開です。神社や仏閣などで身を清める手水鉢(ちょうずばち)のように、大切な場所へ入る前に手を洗う小さな器という意味で《テハチ》とネーミングされました。
本日は、そんな《テハチ》を開発した当社のデザイナーに、開発の裏側を聞いてきました。
もっとコンパクトな手洗い器を作りたい
―《テハチ》の開発に至った背景について教えてください。サンワカンパニーでは、以前から《レプト手洗ボウル》というコンパクトな手洗い商品を取り扱っています。タンクレストイレが普及し、トイレに置ける小さな手洗い器の需要が増えた時代に、当社の先代社長のアイデアで開発した商品です。
コンパクトさが人気の《レプト手洗ボウル》
《レプト手洗ボウル》は、奥行きが170mmと既に驚くほど薄いのですが、「空間デザインの自由度を広げられる、もっと薄いものが作れたら…」と思い立ち、開発をスタートしたのが《テハチ》です。《テハチ》は、奥行きがたった120mmで軽くて丈夫、しかも壁付け施工が出来るので、壁に浮いているような見た目に仕上がります。海外のデザインもよくチェックしますが、なかなか無いデザインに仕上がったと思います。
完成形に辿り着くまでの試行錯誤
―《テハチ》の制作過程について教えてください。私がデザインをする時は、まずメモ帳にラフスケッチを描いて、ある程度の形を決めます。その後に紙で模型を作ったり、CGを作ったりします。
《テハチ》も同様に、最初にラフスケッチを描くところから始まりました。
《テハチ》デザインの手描きスケッチ
サイズも細かくメモされている
ある程度形が決まった段階で、原寸大の紙の模型を作りました。全てデジタルで完結させるやり方もあると思いますが、個人的には、スケッチを手で描いたり、模型を作ったりする作業は大事だと思いますね。模型を作ってスケール感を確認することで、実際に使うイメージが沸き易くなります。
紙で制作した模型の写真
素材に関しては、もともと《レプト手洗ボウル》と同じ人工大理石で検討していました。しかし、人工大理石製のものは樹脂を固めて作るので、ある程度フチに厚みが必要になります。もっと薄くできないかと考えた時に、金属を使おうと思いました。金属ならもっとフチを薄くできるし、丈夫で割れない。放り投げてもそう簡単には凹まないと思います。(笑)本体の形は試行錯誤しましたが、最終的にシンク部分と石鹸置きスペースのあるデザインに決定しました。ハンドソープやアルコールディスペンサー等が置けた方が、店舗等に設置する際に便利ですしね。
《テハチ》の完成形
シンク内は、水はけが良くなるように、僅かに勾配を付けています。余談ですが、完成形は黄金比(1:1.618)に近くなりました。狙ったわけではなく、たまたまなんですけどね。(笑)
実用性にもこだわったデザイン
ブラケットにもこだわりが
―今回は、取り付け金具にもこだわりがあると聞きました!はい、ボウルを壁に取り付ける「ブラケット」というパーツは、今回当社オリジナルで開発しました。通常、三角形のブラケットを使って、ボウル下と壁を固定することが多いのですが、それだと横から見た時にブラケットが丸見えです。
今回は、ブラケットを見せずに壁に取り付たかったため、工場の方と意見を出し合いながら試行錯誤しました。辿り着いた最終形は、ボウルを設置した時にぐらつかず、横から見ても美しい仕上がりになっています。こちらのブラケットは特許出願中です。
試行錯誤を重ねたブラケット
細部までノイズレスなデザインに
使い方はお客様次第!自由に使える手洗い器
―最後に、《テハチ》とはどのような商品でしょうか。《テハチ》は、奥行き120mmのコンパクトさが特長の商品です。家の廊下に設置してもよし、カフェやオフィスに使ってもよしです。3色のうち、ステンレスは屋外設置可能なので、さらに使用用途が広がります。
サンワカンパニーの商品全体の特長でもありますが、「○○用」等と用途を絞っていないので、お客様のニーズに合わせて、自由に使ってもらえれば嬉しいです。
―多田さん、ありがとうございました!
《テハチ》は、空間作りをさらに自由にするべく、デザイナーが試行錯誤して生まれた、サンワカンパニーらしい商品です。是非、多くの方にご使用いただけると幸いです。
商品の詳細は以下からご覧ください。
●テハチ
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●テハチ